フッ化物のイメージ写真

 

フッ素化合物は私たちの身近な自然界にある元素のひとつです。

実は魚介類や海藻、野菜、肉、牛乳、塩、お茶の葉っぱなど、ほとんどの食品に含まれています。
フッ化物は虫歯や歯周病予防に欠かせないだけでなく、丈夫な歯や骨をつくるために大切な役割を果たす物質です。

日本は海に囲まれているので他の国に比べてフッ化物をたくさん摂取していると言われていますが、虫歯対策としては積極的に経口摂取することは少なく、歯に直接塗布する方法が一般的です。

しかし、アメリカでは虫歯予防策として水道水にフッ化物を混ぜている地域もあり、経口摂取が主流のようです。

フッ化物とは

フッ化物はビタミン類と同様に、毎日摂らなければならない必須の栄養素に位置付けられます。

人の歯は、食事や虫歯菌の繁殖などでカルシウムやリン等が溶け出していき、
それを放っておくと虫歯になったり歯周病になるリスクが上がってしまいます。

歯からカルシウムやリン等が溶け出す仕組みは、【口内の食べ物のカスを虫歯菌が食べる→代謝の老廃物として酸を出す→酸が歯に付着してカルシウムやリンが溶け出す】です。

フッ素は、その溶けてしまったカルシウムやリンを歯に再び吸収する「再石灰化」を促進してくれす働きがあるので、健康な歯を保つために重要な物質といえます。

フッ化物を虫歯予防に応用するには

  • 経口摂取する方法
  • 直接歯の表面に塗布する方法

があります。

経口摂取するとフッ化物は消化管で吸収され、歯が形成される時にエナメル質に取り込まれ虫歯に強い歯がつくられます。サプリメント等があります。

直接歯に塗布する場合は歯医者での塗布、ジェルや歯磨き粉などが多いです。

フッ化物が歯周病に効果的な3つの理由

酸を減らす効果

フッ化物が虫歯菌の働きを弱め、虫歯菌がつくりだす酸の量を抑えます。

再石灰化を促進する効果

歯から溶け出したカルシウムやリンの再石灰化を促進させます。

歯を強化する効果

エナメル質にフッ素が取り込まれることによって、歯の表面を酸にとけにくい性質にしてくれます。

フッ化物の摂取量と摂り方

フッ化物を塗布する写真

アメリカでは、1日のフッ化物適正摂取量や許容上限摂取量を定めていますが、日本人の食事摂取基準(2015年版)にフッ化物摂取量は収載されていません。

厚生労働省は、フッ化物の急性中毒量(摂取または吸入後、短時間にヒトの生体機能が障害され悪影響がみられる状態が出現する量)は5mgF-/kg(体重)としています。

フッ化物の急性中毒量としては、推定中毒量(治療や入院などの処置を必要とする量)5mgF-/kg(体重)と、命に差し障りがある最小量(フッ化ナトリウムの死亡最低既知量)71~74mgNaF/Kg(体重)が参考になります。

推定中毒量は、5歳児(体重18Kg)が週5回法のフッ化物洗口液(0.05%フッ化ナトリウム溶液)を40人分一度に飲んだ場合に到達します。また、3歳児(体重12Kg)ではフッ化物歯面塗布製剤(2%フッ化ナトリウム溶液・ゲル)1回分の上限量2ml(gr)の4人分を一度に摂取した場合に推定中毒量に達します。いずれも事故性または意図的に一時的に中毒量を摂取した場合になります。

フッ化物は長期の過量摂取による慢性中毒症になることが確認されており、日本ではアメリカのように水道水に添加することに根強い反発があります。

フッ化物の中毒症状は高濃度のフッ化物を毎日何十年も摂取した場合に起こるため、意図的に多量に摂取しないかぎりは現れません。
危険性は少ないとの判断で、アメリカのように経口摂取が主流になっている国がほとんどのようです。

多くの実験によってフッ化物の安全性は確認されていますし、実際に歯周病や歯の健康に有効な成分です。
フッ化物入り歯磨き粉などの使用量はしっかり守りながら、使用していくと良いでしょう。

最近はマスティックと呼ばれる植物の樹脂が歯周病菌に有効であるという新しい発表もされています。マスティックについても記事にしていますので、合わせて読んで一緒に歯周病を改善していきましょう。